[仏像の見分け方]梵天

仏像の見分け方シリーズ

天部に入って最初となるとやっぱりここから始めないとね

梵天(ぼんてん)
天部の中では一番の格上
天部は他の宗教の神だった例が多いんだけど
梵天は、ヒンズー教での生成の神。
超大物です。
そもそも宇宙を作った人。

ビッグバン
梵天
似てますよね

失礼
ん だけでした。

実はヒンズー教よりももっと前
古代インドの神話に登場する

勿論仏教より前に存在する

梵天勧請
釈迦は菩提樹の下で長い時間をかけて、いよいよ悟りを開く

ああ良かった
幸せ

しばらくずっとその余韻に浸る

これ、例えば人に伝えるとして
言葉じゃ到底伝わる気がしないし、どうしようか
このまま、自分だけでということでも仕方ないかもね

そこに、梵天が帝釈天たちと共に現れます。

何考えてまんねん
がっかりやわ
難しいから、やめとこうって
あなたの悟りはその程度のもんなんかい

待ってるんやで
あなたの事を
みんながね
あなたしか出来んことなんやで

ありがとう
よう言うてくれました。
目が覚めました。

これを梵天勧請(ぼんてんかんじょう)と言います。

決意した釈迦は
かつて一緒に苦行を重ねた5人の修行者たちを探し、
サールナートで最初の説法をします。
これが、初転法輪(しょてんぼうりん)と呼ばれています。

梵天がいなければ、仏教はなかったとも言える
釈迦にとっても、大先生の大恩人な訳です。

こう言うのが仏教の良いところですね
唯一絶対の神を持つ宗教なら
こんなストーリーになりえません。

釈迦は悟りを拓いたくせしてグズグズ言って
前からいる神様に諭されている。

見分け方
仏像の見分け方泣かせです。

あまりにも昔からいる神様だったもので
あちこちで変化を遂げちゃってます。

経典が出来るずっと前からいるので
神に書いて顔がいくつで手が何本で何を持っていて、何に乗っていてみたいなのを書こうとしてもう手遅れ
既にその時点で色んな梵天に分かれちゃっています

初期は顔がひとつで手が二本
宝髻(ほうけい)を結い、中国の文官のような恰好をしており、
手には巻子(かんす)や払子(ほっす)
(獣毛や繊維を束ねてつくられた法具)などを持っています
貴族のような格好なので「貴紳形」(きしんぎょう)と言います。

平安時代に入り、密教が栄えてくると
顔も手も複数になります。
鵞鳥座(がちょうざ)や蓮華座(れんげざ)の上に座るようになります。
持物をもつ場合は、払子か柄香炉をもつことが多く、
衣服の下に鎧をつける例もあります。

これだけの大物なのに
単独で仏像が作られることがあまりなく
帝釈天とセットになります。

その場合にどっちがどっちかはほとんど分からずほぼ一緒
そこにおそらくどちらがどちらか書いてあるでしょうから、その指示に従ってください
という、「仏像の見分け方」にあるまじき回答になってしまいます。
ごめんなさい

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